先日、アルケミスト・ネイチャークラブの活動として、長野県の蓼科山への登山を行いました。その日は、天候にも恵まれ、澄み切った青空の下、南北アルプスの峰々が神々しい姿を見せてくれていました。
登り始めてカラマツ林を抜けると、樹林はシラビソの原生林へと変わり、急斜面の登山道をジグザグに登っていきます。振り返ると、眼下には女神湖が空の青さを映し、山々が澄み渡った空気の中で輝いていました。ふと見ると、登山道の横で老木が立ち枯れて、今まさにその生命を終えようとしていました。しかし、その姿からは不思議と悲しみや苦しみは感じられませんでした。むしろ生命の力強さとすがすがしさが伝わってくるのです。枯れているけれどエネルギーは生き生きとしているのです。
わずかに根元の部分にエネルギーを残して、その木は自らの生命を使い果たしていました。自らの人生の目的を立派に成し遂げた木の万感の思いが私の心を満たしました。その達成感と誇らしさにあふれたエネルギーから、私は生命を使い切ったもの、使命をまっとうした者にとっては、死は決して恐ろしいものではなく、平安なのだと改めて実感し、感謝の念を伝えて再び山頂への道を進んだのでした。
2012年8月 | ||||||
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