私が初めてゾウのHさんのコミュニケーションを行った時、Hさんは現在も人間からゾウに生まれ変わってしまったことへの怒りや悔しさを抱えていました。そして、その心を大きく占めていたのは過去世での父親との確執であり、Hさんは「父親が自分のことを認めず、自分がだめだったから、このようなゾウの立場生まれ変わらされたのではないか」とさえ考えていたようでした。彼女にとって必要なのは、過去世での父親がどれほどHさんのことを息子として愛していたかということを理解することであり、そうすることによって過去のネガティブな思いから解放され、自分自身と父を許すことができるようになると感じた私は、次のような言霊を彼女に伝えました。
「あなたの過去を知ったけど、あなたは本当に立派にやっていると感じるよ。
長い間十分によくやっていると思うよ。あなたの人生を心から尊敬するよ。
あなたの過去世の父親はあなたを心から愛していたんだよ。」
そうして、このコミュニケーションから数ヶ月後のHさんからは、以前の悲壮感がすっかり消え、明るさや平安を取り戻しており、ゆったりとしたリズムで体を揺らし、楽しそうな様子さえ見せてくれました。彼女は自らを許し、穏やかな晩年を送りながらこの人生を全うすることを決意したようでした。彼女は自身の未来世も私に伝えてくれました。私は彼女がこの人生を立派に成し遂げ、素晴らしい未来世を歩むことを心から祈っています。
動物たちの過去世を知る度に、私はその魂の一途さと尊さに尊敬の念を抱かずにはいられません。彼らは私たち人間と何一つ変わりなく、それぞれの使命と役割を持って人生を歩んでいるのです。皆さんも彼らの人生に思いをはせてみてください。例え動物園の中にあっても、彼らは尊い人生を歩んでいるのです。
ゾウは非常に霊性の高い動物です。動物たちは様々な種を体験する輪廻転生の中で、最終的にゾウなどの大型の草食獣やイルカやクジラなどの海獣類に生まれ変わり、人間としての人生を始めます。
I動物園の雌のゾウHさんは、過去世ではスリランカの象使いの男性でした。Hさんは過去世において、代々続くゾウ使いの家に生まれ、幼いころから厳しい父からゾウ使いの教育を受けるのでしたが、父のことが理解できぬHさんはゾウ使いの仕事に愛情が持てず、やがて家を出て町で放蕩生活を送るようになります。しかし、町でも結局生きてゆけず、家に戻り、嫌々ゾウ使いになるのでした。ところが、どうしても父のようにゾウを愛し、理解することが出来ず、自分の不満や苛立ちをゾウたちにぶつけてしまうHさんは強い劣等感を覚えながら自暴自棄な人生を歩んだのでした。Hさんは、ゾウたちが自分と父を比べて馬鹿にしているような気すらして、鍵ヅメでゾウたちの脚などを傷つけ、心無い言葉を浴びせていました。そして、Hさんは多くのゾウを傷つけた結果、今世は自らがゾウになって彼らの気持ちを理解するための体験を行っているのです。
動物たちは私たち人間と同じように、学び体験するために生まれ変わります。
彼らの魂は、人間になることを切望しています。
万物の霊長といわれる私たち人間は、彼らのあこがれの存在なのです。
私たちはそのあこがれに恥じぬように、すべての生命を愛し慈しむ義務があるのです。
アニマルコミュニケーションカレッジの野外授業がI動物園にて行われました。この実習にはKBSという韓国のテレビ局も取材が入り、アニマルコミュニケーションがこれからもますます広がって行く流れとその必要性を強く感じました。動物たちは人と自分たちのかけ橋となるアニマルコミュニケーターを待っています。これからの世の中では、アニマルコミュニケーターという存在が、さらに強く求められてゆくでしょう。
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