第97回 時を超えた想いⅡ
その後、空(くう)ちゃんはロシアで亡くなったご主人を追いかけて、ロシアに生まれ変わります。しかし、それでもご主人を見つけることが出来なかった空ちゃんは、次に樺太に生れ、中国に生れ、朝鮮、北海道、そして現在の岩手に生まれ変わりました。空ちゃんは100年もの時を超えて、6世代前のご主人を追い続けていたのです。それが空ちゃんの顔のまわりにある、ブルーのさみしさのエネルギーでした。そして、空ちゃんは今でもお寺を訪れる人の中にご主人の姿を探していたのでした。
空ちゃんの顔の周りに見えるさみしさのエネルギー
過去世で空ちゃんの飼い主であった方は、現在どこにいるのでしょうか?空ちゃんの魂はそれを知ることを求めていました。空ちゃんの思いにこたえるように、過去世の飼い主の現在の人生がメッセージによって伝えられました。
過去世を思い出している空ちゃん
空ちゃんの過去世の飼い主さんは現在カナダの女性として生きています。看護師として働いており、ご主人を早くに亡くしていました。まるで、妻を残して亡くなってしまった鎌倉の過去世での逆の立場を体験しているかのようです。しかし、子供もおり、今は幸せな人生を送っています。鎌倉での過去世の経験のため、日本文化に興味を持っており、一度日本を訪れたことがあるようでした。
しかし、残念ながらこの女性は、表面意識においては空ちゃんとの人生を記憶してはいませんでした。人間は生まれ変わりのスパンが長いため、どうしても動物たちに比べて過去世の記憶をとどめていくことは難しいのです。しかし、彼女の魂の深いところには、忠実に一途に主人を愛していた鎌倉での空ちゃんの姿が残っており、そのため現在もカナダで犬との生活を大切にしているのでした。
代表に自分の想いを伝える空ちゃん
愛し合い、互いを大切に思い合った体験は決して消えません。必ず魂の中に残り、その愛情は新しい出会いの中でさらに大きく広がっていくのです。捜し求めてきた鎌倉のご主人が、自分を覚えていなかったことに、空ちゃんは納得がいかない様子でしきりに敷物を噛んでいました。しかし、命は決して途切れることなく生まれ変わり、空ちゃんの愛情も現在のカナダの女性の中で生き続けていることに、空ちゃんは気づくでしょう。たとえ離れ離れであっても、分かち合った愛情は永遠に生き続けるのです。たとえ、悲しい別れがあったとしても、大切な人は生まれかわり、生き続けていくのです。
死は決して終わりではありません。そして、過去において分かち合った愛情は、現在の人生を彩り、幸せを導いているのです。
アンケートにアニマルコミュニケーションの話を聞きたいと書いたので、早速思いが届き嬉しいです。
昨日、空ちゃんのお話を読み「空ちゃんは納得がいかない様子」という所で、動物はただ素直に全てを受け入れるのではなく、色々な葛藤をしていると改めて知り心に響きました。今朝、犬の散歩をしていて、今まで一度も怒ってうなる事のなかった彼女が、私がしないでくれと言った事に低い声で怒りを見せました。私は、驚いて怖くなったのですが、いつもお利口すぎる程忠実な彼女と逆にどう接していいいのかわからなくなっていた所で、ようやく自分の思いを出してくれるようになったのかと思いましたが、嫌われた気がして泣けて来てしまいました。自分が、どこかで彼女をマスコット扱いしてきた面にも気づきました。彼女は、すぐに唸った事を申し訳ないという顔をしていましたが、私は色々と我慢をしていたのかと思うと逆に申し訳ない気持ちになりました。
飼い犬の自由意志をどこまで尊重できるんだろうってそんな事で私はいつも悩んでしまいます。飼い犬と人間社会で一緒に生きると多くの我慢やこちらに従わせるという面があり、時々困惑します。