2011.05.06
あるアメリカヘラジカの心
全く環境の違う狭い場所で、私は人生を終えようとしているのですか?
それとも、私の能力や才能を生かす場所を、これから与えてくれるのですか?
このままでこの人生を終えるのは、辛くてたまりません。
どうか、私が自分の能力や力を生かす場を与えてください。
私は、それをいつも願い続けています。
~アメリカヘラジカのメッセージ~
彼は広々とした環境の中で、風の変化に耳を澄まし、大地の匂いをかいで、様々な自然の情報を全身で感じ取りたい、仲間や土地を守る役割を果たしたいと思っていました。変化に富む豊かな自然の中で、自分自身の能力を発揮し、才能を生かしたいと切望しているのです。
彼はアメリカの動物園で1987年に生まれて、その翌年に日本へやってきました。例え動物園で生まれた動物でも、野性の本能や自然への希求を失うことがない動物も多くいます。アメリカヘラジカは、北米最大の哺乳類であり、針葉樹林混合林に生息しています。広大な大地で生きる能力をもつ彼らにとって、飼育下の環境では自らの持つ力を全く発揮できないと感じてしまうのも無理はありません。
しかし、彼のおかげで私たちは、生きたヘラジカの素晴らしい存在感を知ることができます。日本で生きる彼の存在そのものが、どれほど貴重な存在であるかはかり知れません。
彼を見ることで、私たちは誇り高く力強い命を感じ、アメリカの広大な自然へ思いをはせることができるのです。自尊心と誇りを失わず、強く生きることを伝えてくれるヘラジカさんの人生を称え、心からの感謝を伝えたいです。